注ぎはじめでは、クレマを壊さないように2- 3cmほどの高さから静かに注ぎます。2-3cmの高さから注ぐためには、カップを大きく傾ける必要があります。高い位置から注ぐと、対流によってクレマがミルクと混ぜ合うことになるので、コントラストがつきにくくなります。また、注いだ時にまきこまれる空気が口当たりの悪い泡を形成してしまいます(※このことを理解した上で、クレマのやや強すぎる風味をマイルドにし、エアのまきこみも抑えて口当たりの良いフォームにする方法もあります)。

 ミルクが表面全体に広がってしまう場合があります。これは、空気量が多いか、スピンができていないため軽いフォームができてしまうことが原因であることが多いようです。
■注ぎ - Cuffe Cuore Style -
Step.1 注ぎはじめ
≪注ぎ≫

 ラテアートをするためには、ミルクが表面に浮く必要があります。浮く・浮かないの要素は、大きく2つあります。
 一つめは、ミルクの比重です。軽いほど浮きやすく、重いほど沈みやすくなります。もっともバランスがよいのは、クレマと同じ比重です。つまり、コシのあるなめらかなクレマには、同じようなミルクが求められます。
 二つめは、ピッチャーとエスプレッソとの距離です。理科で習いますが、距離が離れているほど加速度が加わり、ミルクの落下速度が速くなります。そのため、沈みやすくなります。例えば、ピッチャーとエスプレッソの距離が0であれば、ほぼ間違いなく浮かせることができます。
 1.25倍に膨らませたフォームであれば、1.5cm程度がちょうど浮き上がりのタイミングとなり、小さなミルクの点(シグナル)ができます。
Step.2 描き始めのシグナル

 シグナルを確認したら、カップの中に対流をおこします。ここが大事なコツであるにも関わらず説明が難しいのですが、カップの底に「トン」とミルクをぶつけるようなイメージです。これによって、カップの中全体に対流がおきます。この時、対流によってミルクの白いスジができます。
 これを黙って見ていると、たちまち溢れます(笑)。そのため、カップの傾きを徐々に戻していきます。
Step.3 描き始め

 ピッチャーを左右に振ります。この振幅は左右5mmmほどです。振幅幅は狭いのですが、対流によって左右に大きく広がっていくので、新体操のリボンのようなイメージです。はじめて見たお客さんが一番驚かれるポイントです。
 振幅を続けながら、徐々に手前に引いていきます。
 もちろん、注いだ分量に合わせてカップの傾きも戻していきます。つまり、カップの縁はいつも溢れるぎりぎりの状態になっているというわけです。これによって、ピッチャーを液面にギリギリまで近づけることが可能になります。
Step.4 ピッチャーの振り

 左右5mm程度の振りを、徐々に2mm程度まで小さくしていきます。液面との距離は1cmまで近づいています。
 最後まで引き終わると、カップ全面にシマシマ模様が広がります。この時点では、カップは水平になっています。
Step.5 振り終わり

 ピッチャーを静かに2cmほど上げます。
これにより、先端を尖らせた形状をつくることができます。なお、ここで「ため」をつくると、リーフの先端がハート状になります。
デザイン的にはこちらもかわいいと思うので、好みで作り分けができるとよいかと思います。
Step.6 ピッチャーの持ち上げ

 ゆっくりと少しずつピッチャーを上げながら移動させます。ここで、急ぎすぎるとフィニッシュによるく対流が新しくおこり、全体的に引きずらた団扇のような、タマネギのようなラテアートが出来上がります。逆に、丁寧すぎるとリーフの傾きがなくなってしまうので、バランスが大事です。
Step.7 フィニッシュ

 ラテアートにはたくさんの作り方があります。その中で、CuffeCuoreのラテアートは空気量が極めて少ないフォームで描くことが最大の特徴です。また、エスプレッソの強い苦味を緩和するため、ミルクはカップの縁ぎりぎりまで広がるようにします。これによって、液体とフォーム、エスプレッソとミルクが渾然一体となったカフェラテとなります。
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ラテアートの描き方
【リーフ】
【フェニックス】

 リーフは対流を用いる方法でした。これに対し、フェニックスは対流をおこさざにラテアートをすることが特徴です。ウェットなフォームの注ぎの勢いを殺すのは難しいため、カップの傾きを積極的に利用します。そのため、ピッチャーを持つ右手とカップを持つ左手を駆使することになります。
 カプチーノのフォームでも描くことは可能で、対流も止めやすいのですが、輪郭がぼやける上に細かい描写ができません。やや空気量が多めのカフェラテのフォームで描くことをお勧めします。
Step.1 注ぎはじめ
 ピッチャーのミルクはよく回転させ、泡のきめを整えます。荒い泡が残っていると、最後の仕上げでひどいことになります。
 カップを大きく傾け、一番深い位置にミルクを落とします。この時、表面にミルクが拡がったら、フォームが多すぎるか、注ぎ位置が低すぎです。逆に高すぎると湧き上がるような縦の対流が起き、クレマが壊れて口当たりが悪くなります。
バランスが大事です。
 液面がカップの縁ぎりぎりまで上がったら、静かに描き始めます。
この時、勢いを殺すため、ピッチャーを押し込まず、左右に小さくすばやく振ります。この動きだけでミルクを浮かばせます。
このままでは対流がおきてしまうので、カップをわずかに寝かせます。ピッチャーの口と液面の距離を作ることで、ミルクをわずかに沈ませ、表面におきる対流を防ぐわけです。

☆フェニックスで最も難しいコントロールです。
Step.2 描きはじめ
Step.3 翼 前半
 カップの傾きはほとんど変えずに、ピッチャーの口を液面に近づけながら図のように描きます。
 対流を起こさないリーフの描き方です。
 カップを徐々に戻しながら、図のように描きます。
 こぼれないようであれば、カップは戻さなくても大丈夫です。
Step.4 翼 後半
Step.5 翼 仕上げ
 翼の中心よりの縁をなぞるように切ります。勢いがないと、羽っぽく見えなくなるので、元気にいきましょう!カップは徐々に戻してください。
Step.6 翼 もう一対
 同じ要領で翼を描きます。左右の翼は一筆書きで描いたほうがバランスは取れます。
Step.7 翼 仕上げ
 同じ要領で描きます。左右の翼はくっつけても、離しても大丈夫です。カップは徐々に戻してください。
 左右に振りながら描きます。一点で止まったまま描くと、ハートと同様の対流が生まれ、翼を巻き込んでしまいます。また、溢れる危険が一番あります。左手でカップの傾きを調整してください。
Step.8 胴体
 左右の振るえが止まったところを見計らって、首を描きます。カップの傾きは水平になります。
Step.9 首
 点を打つように頭を描きます。
Step.10 頭