Desing Cuppuccino
デザインカプチーノの描き方
基本的に、コーヒー豆などはカフェラテと同じものを用いますので、準備・エスプレッソ・フォーミングの抽出はカフェラテのページを参照してください。ここでは、一部異なる部分を紹介します。
■エスプレッソ
■お砂糖を入れちゃう!?
デザインカプチーノには、お客さんのご要望に合わせて様々な動物を描いていました。見た目がかわいいので、カプチーノは「甘い飲み物」とイメージしがちですが、クオーレのカプチーノは苦かったです(笑)。これは、コントラストをつけるためにクレマを壊さずに丁寧にミルクを注ぐためで、飲んだ瞬間にエスプレッソが口の中に広がります。エスプレッソが好きな方にはむしろ歓迎なことですが、苦いと感じるお客さんの方が圧倒的に多かったです。エスプレッソに負けないようにミルクの甘みを出すには、カフェラテのようにレイヤー(縞模様)を入れるか、クレマを壊してミルクと混ぜる方法がありますが、代わりに絵柄のコントラストは失われます。
そこで出した結論は、「お砂糖を入れる」でした!多くのバリスタがお砂糖を入れずにミルクの甘みを感じてもらうことにこだわりを持っていますが、このお砂糖入りのカプチーノ、女性のお客さんからは大好評でした。そこで、オーダーされる時に「お砂糖はあらかじめお入れしておきますか?」と尋ねて、甘党には甘いカプチーノ、シンプル党にはスタンダードカプチーノを提供することとしました。 バリスタのこだわりも大事ですが、より大切なのは様々なお客さんの好みに対応できる心配りと技術かなと思ってます。
■フォーミング
■空気量
クオーレでは、カフェラテがミルクを1.25倍に膨らませていたのに対し、カプチーノは1.5倍まで膨らませます。カプチーノは、カフェラテのようにフォームとの一体感を楽しむのではなく、ふわっとした泡を楽しむことを目的としているからです。ただ、カフェラテとカプチーノの定義は国や店によって様々で、一概に「これ」ということは出来ません。クオーレのカフェラテとカプチーノの中間的な空気量で設定しているお店が多いように思います。
■フォーミング
カフェラテのフォーム同様に、ピッチャー内でミルクをスピンをさせます。まきこむ空気量がカフェラテより多いので、空気量の調整はスウィングではなく、ピッチャーの上下で行います。ノズル先端は常に液面のギリギリになるようにし、表面の対流をしっかり作ります。表面の対流がうまく作れなかった場合は、ボサっとした泡が出来てしまい、口当たりが悪くなります。
ピッチャーから10〜30ml程度のミルクを流しに捨てます。これは、ピッチャー側面に付着しているこわばったミルクがカップに入ることを避けるためです。
こわばったミルクは軽いので、ミルクを捨てずにそのまま注ぐと表面に拡がってしまいます。高い位置から注ぐことで浮き上がりを防ぐこともできますが、空気の巻き込みがあるためにクレマが濁り、口当たりの悪いフォームになる場合があります。
■クマさんカプチーノ(基本形)
Step.1 注ぎ前に
Step.2 描き始め
カップの半分ほどまで注ぎながら、カップの手前1/3ほどの位置に注ぎ位置を変えます。
口の位置は、顔の輪郭を描き終った時にできる「くびれ」部分です。かわいいクマにするには、出来るだけ近づけてみてください。遠くに離れてしまうと、口の輪郭が太くなるので、かなり男らしいクマになります。
少し注ぐと口の輪郭ができ、顔の輪郭を押し広げていく様子がわかります。ただし、このまま注ぐと、下あごが顔の輪郭からはみ出したリアルなクマになります。
そこで、注ぎながら、注ぎ位置を中央に移動します。
注ぎ位置を中央に移動していくことで、顔の中に口がすっぽりと入ります。これは、対流で顔の輪郭が緩やかに巻き込まれるからですが、見ていて楽しいところなので、お客さんに見ていただくのも好評でした。
Step.5 顔の輪郭
一般的には耳はスティックを使って描きますが、クオーレでは注ぎで描いてました。静かに注ぐことで、大きく輪郭がはっきりした耳が描けますが、フォーミングに失敗すると耳の輪郭がボヤッ滲んでしまいます。
Step.10 目、口、鼻
最後に、マドラーを使ってお絵かきをします(エッジング)。一般的にはつまよう枝のようなスティックを用いますが、クオーレでは、プラスティック製のマドラーを少し加工して使っていました。スタッフやお客さんには、「様々な用具を試した結果、マドラーが最も適していた」とエバっていましたが、実はスティックを買いにスーパーに行ったときに適当なものがなく、仕方なく買ったマドラーがすごく良かったという偶然です(笑)
カップ周辺のクレマをマドラーでそっとすくい、滴をたらすようにほぼ垂直にクレマをミルク表面に付着させると、表面張力できれいな円になります。慣れないと、いびつで大きさがまちまちになりますが、すくう量と付着させる位置を同じにすれば、かわいい目が描けます。口は、マドラーの柄をカットした方を用いて、鼻から外に向かって描きます。
ミルクを捨ててから素早く、カップ中央に注ぎます。注ぎ高さは5〜10cmほどで、クレマが壊れないように静かに半分ほどまで注ぎ続けます。
この時、注ぎ高さがありすぎるとクレマが壊れるばかりか、余計な空気をまきこむため、見た目にも判別できるほどの泡ができてしまいます。
5〜10cmの注ぎ高さでミルクが浮いてしまう場合は、フォーミングに失敗して軽いフォームと重いフォームに分かれてしまっていることが考えられます。
Step.3 注ぎ位置の変更
顔を描き始めるタイミングに、高さを3cmほどにします。この時の動作はメリハリが大事です。気をつけなければならないのが、高さはメリハリをつけて変えますが、ミルクの注ぎの勢いは変化させないことです。勢いをつけると対流がおこるため、クレマを巻き込んでレイヤー(縞)ができます。よく、クマのあごのあたりが茶色に濁っていることがありますが、この現象です(「泥棒」と呼んでました)。真っ白な円にするためには、少し注ぎはじめてから、注ぎ位置を中央にずらすなどのテクニックもあります(対流によるクレマの巻き込みがなくなります)。
Step.4 描きはじめ
ミルクを注いで顔を拡げていきます。ピッチャーが振動するとレイヤーが入るので、落ち着いて丁寧に注ぎます。
Step.6 口の輪郭
Step.7 口の挿入1
Step.8 口の挿入2
Step.9 耳